王子が私に近づいてくるにつれて、 囲んでいた女子達も、不思議そうに王子の歩く方向を見つめる。 「な、なに…」 え…?? 私をチラッと見た王子は、チラ見しただけでスッと私を通り過ぎた。 何なのよ…! 私が振り返ると、王子の視線の先には1人の男性生徒。 「久しぶりだな。藤高。」 「留守にして悪かったな、類。」 だ、誰…?? 私がポカンとしてると、すぐさま真奈美が駆け寄ってくる。 「花!王子の邪魔しちゃダメじゃない!」 「ご、ごめん…。真奈美…あの人誰?」