私が部屋を出ようとした時、ガラッと資料室の扉が開く音がした。 「まだ何か文句でも!?」 私はまた王子が戻ってきたのだとばっかり思って、少しケンカ口調で声を掛ける。 「…誰かいるのか?」 その声の主はゆっくりとこちらに近づいてきた。 「え!?」 王子じゃない… 「遠山…なんでここに?」 「先生…」 今、一番会いたくて、一番会いたくない人。 「もしかして類?」