「近江ちゃんは悪くないでしょ。関係ないってのに仲持ちしてもらってる私らが恥ずかしいじゃん。……ってゆうかユタカがバカすぎる。心臓に悪いよ。噂の近江ちゃんの彼氏がアンタってだけでも、心配だったのに、あんな周りに人のいるところで、いきなり私に話しかけてくるんだもん」
「うぃっ？だって、ハルミが話したがってるっていうから、その場で……」
「そんなの、ことばのアヤってヤツでしょ。その場で来るバカがいますか！」
「え、そうなの？」
「うん、まぁ……」
「でもあの時、行ってこいって言ったぞ。しぶき」
「それも……アハハ。言っちゃったね。まさかすぐ行くって思わなかったし」
「こら。近江ちゃんのせいにするんじゃない！私らの問題だって言ってるでしょ！」
「ホラ怒ってる。だから訊きに行くの、やだったんだよな。絶対怒ると思ったもん。ハルミは」
「なにそれ。人をいっつも怒ってる人みたいに！アンタの気遣いってゆうか、気の付かなさが悪いんでしょ。私に迷惑かけるのはいいよ。もう諦めちゃったし。でも、他の人にはこうやってバカ見せつけないようにって、昔っから言ってたでしょ！」
「む。そこまで怒るほどのことか？いいじゃん。しぶきは全部知ってるんだし」
「って、全部話しちゃったの？ホント？近江ちゃん」
「うん。聞いてしまいました」
「そ…………それって、私のこととかコイツのことも？」
「あ、浅瀬ちゃん、落ち着こう。……ね？」
「言っちゃってるよコレ！バカユタカ！」
「そんな怒るほどのことか？怒りっぽいんだよ。ハルミは」
「志田。あんたもちょっと黙ろうね」
「あったま痛い……。よくコイツと付き合う気になったよね近江ちゃん。ホント、変わってないねアンタ。なんか、気が抜けた」
「ハルミだってそんなに変わってないぞ。しぶきの話じゃ最近は大人しくなってるとかって聞いたけど」
「うん。いつもと違うよね、浅瀬ちゃん」
「え、ウソ？私、なんか変だった、今？」
