「まだどっか行くの?」 「拓也。まさか『夜はお母さんが怒るから付き合えない』なんて小学生みたいなこと抜かすんじゃないだろうな?」 「言わないよ」 「志田はどうだ?」 「いいよ。べつに帰らなくって怒られても逃げりゃいいし」 「いい覚悟だ!さすがは川から流れてくるだけのことはある!」 「それ、オレこれからずっと言われるのか?」 「で、どこ行くっての?」 俺が訊くと、香田はふっふっふと含み笑いをしつつ言った。 「夜の町だ!」