* 「ちょ!今のゼッタイ反則!え、もしかしてそれも有りかよ!」 「有りだってば」 「テル。悪い」 「ぎゃあ!俺ばっかねらうの反則だろ!」 七月半ば。 快晴の日曜日。 山堂川はさらさらと流れ、河川敷では親子連れがキャッチボールなどして過ごす休日の午後。 そこにバカが四人。 俺、香田、志田、そして浜野であった。 こんな暑い日になにをやっているのか。 俺の右手にはボクシンググローブ。 そして俺たちは殴り合っている。 となればボクシングなのか。 いや、……そのもどきである。