「嶋村、余ってるんだったら、こっち入らない?」 と言ってくれた奴がいたのだ。 香田とペアを組んでいた西という、男前ランクに属する男だった。 そんで俺がそれに甘えようとした、まさにその時。 ゴリ、という音が鳴って、西が吹っ飛んだのだった。 なんだどうした西よ! まさかおまえはただの男前ではない、空飛ぶヒーローだったというのか! もちろん違う。 香田がなんだかキレて、西の背中に思いっきり跳び蹴りを食らわしたのであった。 そのとき発した香田のことばを、俺は今もって覚えている。