「………しだ………」 香田は力なくつぶやく。 俺もその場にただ立ちつくす。 昼ドラ? 火曜サスペンス? 違う。 死体が流れてきたんじゃない。 川上から、志田がどんぶらこどんぶらこと、こちら……川下に向かって、泳いできているのだ。 「……なにやってんの?アイツ……」 「……泳いでる……だろ……」 俺の頭はクエスチョンマークで埋め尽くされて、それ以外の感情は七月の暖かな川の流れと共にどっかへ行ってしまったのであった。