「なんもねえっつってんだろ!しつこいんだよいい加減!関係ねえじゃんか、おまえ!」 計三十一回目の「なにも」。 その直後のことだった。 パッコーン!と快音。 音源は我が右頬、すぐ後ろ隣の橋脚。 「おまえがいい加減にしろってんだよっ!」 わっけわかんねえ。 この野郎ヒトにキレてるとか抜かしながら、勝手に自分がキレやがった。 「いってぇー!」 案の定、橋を支える柱なんぞ殴った代償は本人に返っている。 痛いだろうなそりゃ。