二つ前のいっちゃんは横の席の子ともう楽しそうに話してる。

やっぱりいっちゃんはすごいけど、もういっちゃんに頼ってばかりじゃだめだって、そう決めたから。

“七瀬ちゃん”が来たら何を話そう?なんて考えながらぼーっと窓の外に広がる春の空を眺めていると、ガラッという音と共に後ろのドアが開く気配がした。

何気なく目線を向けた、そこには2人の男の子。

その片方に、見覚えしかなくて。



(…嘘でしょ)



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「大丈夫?」

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さっき、怖がって逃げてしまった、背の高い男の子が立っていた。