彼は行き先は決めていなかった。 駄菓子屋や、この町唯一のゲームセンター。そして、小さなショッピングモール。 すべての場所に行った。 その間は、とても他愛もない会話。 好きな食べ物だとか、好きな教科だとか。 どの先生が怖くて、売店の何が美味しいだとか。 黒崎くんは数学が得意で、たまごパンが好きなんだって。 お互いのことを教えあい、たくさんのことを共有しあった。 最後は、ホタルがたくさんみられるという、この前清掃したばかりの川辺にやって来た。