私の不安をあなたが一番知っている

学校でも箝口令が敷かれ、最後のことはなかったことにして、勝利を喜んだ。


来年度から新校則が制定され、存在を忘れられていた生徒会が復活というニュースが飛び交い、新しい時代の到来に浮き足立っていた。


独立風紀委員の初期メンバーは持て囃され、鼻高々と廊下の真ん中を歩く。


しかし日本先輩や桐生先輩、そしてあんらのような人たちは、そんな異様な空気に酔わず、変わらない態度で接した。


日本先輩と桐生先輩が卒業した後、元独立風紀委員はある話題で持ち切りだった。


六月に行われる生徒会の選挙はどうなるか。
おそらく生徒会長は篤彦で決まりだろう。


そして副会長は……声を窄めて話す。
俺とハクとで投票になるが、あの事件のことがあるからハクに決まるだろう。


そして、残った書記と会計の座を争う空気になっていた。
元独立風紀委員の関係は悪化していったが、それを事前に防いでいた日本先輩と桐生先輩は卒業し、あんらは何か言いたそうにしてその様子を見ていた。


争いは消えない。不良という共通の敵を失った独立風紀委員は、自らが風紀を乱す戦いを繰り広げるようになった……。