私の不安をあなたが一番知っている

根拠のない噂を禁止。
風紀委員、生徒会役員は噂話を聞いた場合、それが本当であることを証明できるか確認する。証明できなかった場合違反切符一枚。


誰から聞いたのか問い詰め、名前を出した場合その人物に確認。証明できなかった場合は一人目同様。名前を出さなかった場合噂の発信源と見なし、違反切符二枚。
月末に切った違反切符の数を計算し、上位に入った風紀委員は雑用を免除する。


抜き打ち服装検査。
朝の会後、風紀委員は教室にて服装検査。実施する際当日に放送を流すので、聞こえたら服装検査を実施。検査用紙の五項目に当てはまった数だけ違反切符。
遅延証明書や連絡がなく遅刻し、服装検査を実施できなかった風紀委員は違反切符二枚。



翌月の服装検査で違反が少なくなったクラスの要望は優先される。
違反があるのを隠したことが発覚した場合、そのクラスに違反切符三枚。それを通報した場合その生徒の違反切符を一枚免除する。


不良時代の傷跡が残り、ロッカーが壊れていたり、黒板消しが使い物にならないクラスもあった。本来なら真っ先に改善するべきだが、服装検査で違反が少なくなるようにそのままにした。


改善するためには嫌でも服装を正さなければいけないという状況を作り、不正もなくすため通報した生徒にメリットがある仕組みにした。


これは全校生徒から反感を買い、先生からも注意された。
しかし元独立風紀委員だった生徒は進んで噂話の取り締まり、服装検査をした。


反感は高まるばかりだったが、二週間後には新しい対策と共にまとめ風紀維持運動と称したものを強行採決。


風紀委員は元独立風紀委員の生徒とそうでない生徒とで対立。
喧嘩もないし授業をサボる生徒もいない、服装もきちんとしているのに、日に日に空気が悪くなっていく。


しかし俺はそのことに目を向けず、この高校のイメージを変えようと、厳しい校則を課していた。
南の疾風と言われなくなるまで……。


そして遂に、新独立風紀委員の設立案が出た。元独立風紀委員で集まり、志願してきた一年生を含んだ二十人で結成される予定だった。


ポスターや腕章などは完成し、生徒会の活動場所の真下にある教室に隠した。