「ハンバーグにしようと思うんだけど、いい?」
「っ!! いいっ!
大好物!」
「ふふっ」
奏も俺の好きなもの、知ってたんだ。
「手伝うよ。」
そう言って、俺はキッチンに入った。
「じゃあ、サラダお願いしていい?」
と奏はレタスを指差した。
「おっけー。」
俺がレタスを洗ってると、奏は目を閉じて玉ねぎをみじん切りにしていた。
「奏!」
手を止めた奏の後ろに回り、そっと包丁を取り上げた。
「危ない。何やってんの?」
と叱ると、
「大丈夫だよ。私、玉ねぎはいつも目を瞑って
切ってるから。
無駄に目が大きいから、余計にしみるの
かなぁ。」
と言って笑う。
「ダメ。玉ねぎは俺が切る。」
「えぇ〜!?
ほんとに大丈夫だから。」
「絶対、ダメ。」
奏はなおも自分でやろうとしたが、俺はやらせたくなかった。
「ゆうくん、玉ねぎ、お願いします。」
「はい。」
こういう素直なところもかわいいなぁ。
1時間後、奏のハンバーグが完成した。
「おいしい。」
あまりの美味しさに、あっという間に食べ終わってしまった。



