「ゆ…う…凪…君…」
夕凪君がつかんでいる手首が熱い。…多分それは夏に汗ばんでいるからできっと、それ以上の意味は無い。…夕凪君につかまれても気持ち悪いと思わないのも…きっと、彼が友達だからで…
って…
「か、か、…彼氏…って…っ」
「あっ、あの場ではああいうのが一番いいと思って!…決して変な意味じゃなくて!…ご、ごめんっ!」
…関西弁…とれてる。…それはきっと、焦っていたからと思ったので笑ってしまった。
「夕凪君、また助けられちゃった。…ありがとう」
「…いつでも助けるから、また名前呼んでな」
「うん」
私、とっさに夕凪君の名前よんじゃったんだ。…誰も助けてなんてくれない。そう思っていたのに…夕凪君の名前が口から出てしまった。
それはきっと夕凪君を信用しているからだけど、今の私には一緒に出かけていたから、という理由以外に気づかなかった。

