そうすると彼は「ぷっ」と笑って
「敬語とか俺、君の先輩みたいだし、そんな大したことしてないよ俺。」と言ってくれた。

制服につけられているネームには

橋隆光

と書かれている。

「じゃあ……タメ口で。えっと……橋くんはどうして私のこと覚えててくれたの?」

隆光くんはダメかなと思って苗字で
呼んでみた。

「それは……」

そう言いかけた時担任の先生が
入ってきた。

「席つけー。」

聞こえそうだったのに……
ほんといいところで来るんだから。

また後で聞けばいいかと思い
自分の席についた。