あれから二週間が経った。七月に入ってようやく梅雨が明けたかと思うと、うだるような暑さが同時にやってきた。
でも私は夏は嫌いじゃない。だって楽しいイベントがたくさんあるし、日が長くなって夜まで明るいんだもん。
高校生になって初めての夏休みというビッグイベントもあるし、浮き足立つのは仕方がないことだと思う。
んふふ、早く夏休みになれー!
「おい、聞いてんのかよ?」
「へっ? あ、水野君。なに?」
ルンルン気分で振り向けば呆れ顔でこっちを見る水野君がいた。
あれ?
そういえば、今は授業中なんだっけ。
ん?
なんだかみんながこっちを見ているような気がする。
「え? なに? 私、なにかした?」
「なに寝ぼけてんだよ、当たってんぞ」
「えっ!?」
うそ。
聞いてなかった。
恐る恐る前を見ると教卓に立つ先生が呆れ顔を浮かべていた。
ど、どうしよう。どの問題が当たっているのかわからない上に、教科書すら開いていないなんて終わってる。
「夏目ー、お前なぁ。こんな問題もわからないようじゃ、今度のテストは赤点だぞ」
いや、問題がわからないんじゃなくて!
問題が載ってるページがわからないんですー!