袋の中には、この前と同じように

キャットフードと牛乳…

そして、のど飴……。

「……のど飴?」

何で、のど飴入ってるのかな。

もしかして、新井くんの?

サンダルを急いで履くと、私は追いかけた。

そうだ…私、この前…言ったんだ。

猫、見に来ていいよって言った…。

大丈夫って…言ったんだよ。

新井くん、猫を見たかったから来たのに。

勝手に変な意識して、追い返すような事…。

「…バカ、自意識過剰……。」

急いで履いたサンダルで走りにくいのに

こんなに息を切らして走ったのは

本当に久しぶりだった。

「…いたっ、新井くんっっ!!」

息が切れて掠れた声で私は、思いっきり

叫んだ。

「新井くんっっ!」

その声が聞こえたのか、新井くんは

振り返ると、少し驚いた様に

少し体が反っていた。

それを見て、私は自然と笑ってしまう。

「アハハ…可笑しい…。」

新井くんは、公園の入口辺りで

立ち止まって私の事を待っていてくれた。

私は、そこまで走って近寄っていく。