「…しょ…勝平…」

何で…勝平がこんな所に…

驚きのあまり言葉が出てこない。

スッ…

彼は、私の手を掴んでゆっくりと

立たせてくれた。

「…大丈夫か?」

「…あ、うん…ありがとう…」

勝平の顔を見ることができない。

あの日、私から別れを告げた人が…

もう、二度と会うことはないと思った人が…

今、目の前に立っていた。

ドクン…

胸が苦しくなっていく。

どうして…会っちゃったんだろ…

もう、会いたくなかったのに。