「奥平先生…?」

平野先生の腑に落ちないような声が

私の頭の上に落ちてくる。

「平野先生どうか…お願いします…今度は…

彼を助けてあげてください…。」

頭を下げたまま私は、そう続けた。

「………………っっ」

しばらくの沈黙の後…

「はい、わかりました…」

平野先生は、何かを悟ったように

そう一言、返してくれた。

「はい…」

私も顔を上げ、一言返事をすると

その場を立ち去った。