急に、呼び止められ…

振り返ると、クラスの生徒…

川津 咲希が、目の前に立っていた。

「…川津さん…?」

私は、彼女の方にゆっくり近づいていくと

「…えっ…」

川津さんの目には今にも溢れそうな

涙が溜まっていた。

「…先生…私…私…」

川津さんは、言葉にならないような

涙声で私の顔を必死に見つめていた。

「…川津さん…どうしたの?

大丈夫…っ?落ちついて…っ。」

私は、彼女の肩を軽く抱き寄せながら

すぐ側のベンチに座るように促した。

「…う、う…う」

川津さんの頬には涙が

次から次に流れてくる。