トシノサ恋 ~永久に…君に~

「あれ……確か、ここだよね?

そうだ、歩道橋も見えるし。」

こんな時間に、こんな所で

何のバイトよ?

5月と言えども、11時を過ぎると夜風が

冷たくて、トレンチコート一枚だと

寒くて、震えそうになる。

「お風呂…入りたい、温まりたいっ。

新井くんは、どこにいるの?」

歩道橋の下って……?

そう思って歩道橋を通りすぎた瞬間……

急にけたたましい音が響き渡る。

「えっ、何?工事……?」

道路を削るドリルの音がしている。

「……もしかして…バイトって…。」

私は、必死に、工事をしている人の顔を

見て、回った。

遠くでよく見えないけど

中高年層の中で高校生って…

目立つよね?

「あれ…違う?若い?」

一人一人見てみたがそれらしき青年を

見つける事ができなかった。

その時……

「……え、嘘……あれって、昨日の……。」

工事の隣で交通整理をしている彼を

見つけた。