「……え?」

思わず、彼の顔を見上げると…

「……紗和…また引っ込めようとした。」

この手を離したくない。

私…今日…ずっと一緒にいたい。

「…あの…わ」

「…じゃあ、帰ろうかっ!!」

急に明るい声でそう切り出した彼に

私の声は掻き消された…。

「……え…」

「…え、何?紗和は、帰りたくなかった?

でも、俺さ……弟と妹が待ってるからさ…」

新井くんが悪戯っぽく笑っていた。