「…あ、うん……ごめんね…。」

そうだよね…

せっかく、プレゼントして

くれたんだもんね…。

私が彼を見上げると

新井くんは、拗ねた顔をした。

「違うでしょ?」

「……え?」

「…ごめんねじゃなくて。」

ごめんねじゃなくて……?

「…あ、ありがとう!」

「どういたしまして…

紗和は本当に心配性だな…

いつも、相手の心配ばっかしてさ…

今日は誕生日なんだから…

自分の事だけ考えなって…。」

そう言って彼は私の頭を優しく撫でる。

本当、どちらが年上かわからない…。

でも、それでも私は、嬉しくて……

いつも優しく撫でてくれる彼の手が好き。

私にとっても新井くんは生徒じゃない。

特別な人だよ…?

ずっと、この時が続けばいいのに。

そう思った直後…

観覧車は地上に到着して

私は、夢から現実に引き戻されたような

気分になった。

…私は身勝手にも、あなたの事を

好きになってしまった。

新井くん…

あなたは…

こんな私を好きだなんて言ってくれた。

ずっと…

一緒にいられたら…いいのに。