トシノサ恋 ~永久に…君に~

手が震えて画面が上手く開けない。

パニック状態の私に新井くんは

冷静な声で話す。

「大丈夫だよ。救急車…呼ばなくても

そのうち、目がさめるから…。」

「え?大丈夫って…?

大丈夫に見えない…っ

さっきから…全然動かないよ?!」

私の顔が不安で歪んでいく。

「新井くん…どうして来たの…

来なかったら、巻き込まなくて済んだのに…」

「…そりゃあ…来るよ…

学校の紗和は俺を無視するから…

本当の紗和に会いたかった…っ。」

「…本当の…私に…」

"会いたかった…?"

そう言いかけた時…

ガタッ

「いってーなぁっっ!」

ふらふらと勝平が玄関からリビングに

歩いてきた。

「…っ…勝平…」

勝平は私と新井くんを見るなり

すごい勢いで

新井くんに殴りかかっていく。

「お前…ふざけんなっっ!

離れろっっ!

紗和は俺と婚約してるんだよっっ!

お前が入る隙間なんかねーんだっ!

マジで帰れよっっ!」

「…ねえっ!勝平っっ!やめてっ!」

バシッッッッッ!

新井くんは避けることなく

勝平のパンチを胸に受ける。

「…あ、新井くんっっ。」

私が悲鳴に似たような声で

彼を見上げると

「…いってーっっっ!」

そう言って勝平が殴った腕を

庇いながらうずくまってしった。

…えっ?何で…逆…?

勝平が殴ったのに…新井くんは?

「なっ…お前、鉄板でも入れてんのかっ!」

うずくまりながら、勝平は新井くんを

見上げる。

「さっきから…何、呟いてんだっ?

全然、聞こえねーんだよっっ…

俺はお前の事なんて、どーでもいい…

俺が大切なのは紗和だけ。

一応、彼氏だから、気を使っただけで

最初から、眼中にねーよ。

今、彼氏ってだけでこれから先は

そう決まってねーし。

だから…

紗和に酷いことしたお前はもう何の

価値もない…。

俺は絶対に許さないし…

お前みたいなクズに紗和は渡さない。」

そう言って新井くんが勝平に近づいていく。

彼は勝平の肩をつかんで立たせると

バシッッッ…!!

思いっきり、勝平を蹴り飛ばした。

勝平が床に転がり倒れ

「きゃっっ……!」

私の悲鳴がリビングに響く。

「…立てよ…っ」

新井くんがそう言いながら

もう動かなくなった勝平を

見下ろしながらゆっくり近づいていく。