【元姫の決心】


「本人からは聞いてないよね?」

頷いた。

「やっぱり、信用されていないから 話してくれなかったのかな?」

「違う。」

今までの言葉のどれとも違う 何か覇気のようなものを持ち合わせた 凛とした声。

「きっと、この話を知っているのは この世に そう多くは居ない。」

「そう、なんだ。」

「でも 本当に、何も聞いてないる
断片的にでも、言葉の端々にでも、聞いてない?

アイツの昔話。」