「透哉は本当に、アレは誰にも救えないから。」
「救ってあげないの?」
「んー……俺にはできない。
あ、誤解を招きたくないから 言い訳するけど、俺等にできることは、もう全てしたんだよ?
そして、少しは前に進めている。
だからこそ、アイツは美嘉ちゃんに手を差し伸べることができるようにもなった。
これだけでも、すごい成長だから。
これ以上を望むのは、贅沢すぎる。」
麗夜君は何処か遠いところを見ているような気がする。
「透哉は」
麗夜君の意識がこちらに戻った。
「透哉は 何と闘っているの?」
麗夜君は真面目な顔になった。



