別に、悲劇のヒロインになりたいわけじゃない。
それでも、今 この場に居合わせている人の中で 1番傷ついているのは 私だ。
人間不信だった私が唯一 心を許した人達なのに。
透哉は忘れちゃった?
私たちが初めて出逢った あの夏の日のこと。
嫌がる私を獅龍倉庫に連れて来て、言ったよね。
"お前の居場所は、ここにあるから。
今日から ここが、お前の居場所になるから" って。
獅龍の皆のことも私は信じていなかった。
信じることが怖かったから。
信じた人に また酷いことをされたなら、もう私は立ち直れない。
そう思って居たから。



