【元姫の決心】


扉が開いて、

「流星、何してんだ?
濡れるだろ、用がないなら……」

透哉が中から顔を出す。

目が合って、透哉は嫌な顔をした。

「まだ居たのかよ、早く帰れよ。」

「……うん、そうだね。」

沈黙が続く。

私と透哉と流星。
3人が倉庫前でただ突っ立っている。