【元姫の決心】


倉庫を出て、その場に立ち尽くしている私。

暫くして、中から出て来たのは流星。

「傘 持ってないだろ?」

そう言って、差し出してくれた。

"それにしても、酷い雨だな……" なんて言いながら、隣に居てくれる。

「流星……は、静香を信じるの?」

流星は "分からない" と答える。

「今の透哉は止めようがないからな、透哉と同じ意見になってあげる他 サポートの仕方が分からない。

同じ意見だったなら、楽だろうな。」

「そうだね。」

雨の音は強くて、流星は私のためを思って 何か話し続けてくれているけれど 半分くらいしか聞こえてこない。

いや、雨の音のせいだけじゃないのかも。