イジワルな彼は私を溺愛しています ②


「ハイ、チーズ!」

亜矢の声に合わせて笑顔を作る。

私は表情筋の限界に挑戦している。予想していた倍のお客さんがきて、写真撮影は途切れる事はない。

まあ、結果は大成功だ。きっと親衛隊の方々はアイスの買い出しに行くはめになるだろう。

「有紀様!」

来た。

「アイスが足りません!!買い出しに…」

「行ってきて!なるべく沢山ね」

「は、はい!」

目を丸くしている。私はもう、親衛隊の方に敬語を使う事をやめた。

「あ、でも田中と佐藤に買い出しは任せていいから」

「分かりました!」

私はテントの隅の方でぼーっとしている田中と佐藤をちらっと見て言った。




「イケメンがいる!!」

「カッコイイ!」

「あれなら、会長と張り合えるんじゃない?!」

「ボディーガードがいるなんて、一体誰?!」

「お金持ちじゃん!!」

和海の撮影ブースに並んでいる女子の声が聞こえる。

その声は例のイケメンがこちらに向かっているのか女子の声が段々大きく聞こえる。

私はそんな事お構い無しに、スキンシップをする男とのツーショットを笑顔で乗り切る。

そろそろ表情筋の限界だから、写真の私は引きつった笑みになっていると思われる。