「教室でみんなが噂してたのを聞いたの。それで……」

揃って屋上にやってきたカンナと桃ちゃん。

桃ちゃんはカンナを傷つけないように言葉を選びながら慎重に言った。

「そんなに気を遣わないでよぉ。カンナもう知ってるよ~!さっきその裏サイトていうのを見たもん」

「あんなこと書くなんて最低だよ……。カンナちゃん、気にしちゃだめだよ?」

「ありがとう、桃ちゃん」

にこりと笑いながら大きく背伸びする。

快晴だ。雲一つない。優しく吹く風がカンナの髪を揺らす。

「ねぇ、カンナちゃん。もしかして美波ちゃんに……」

そのあとに続く言葉を言いあぐねている桃ちゃんにカンナはにっこり笑って答えた。

「うん。イジメられてる」

「やっぱりそうなの……?」

桃ちゃんが絶句した。