イジメ返し3

「ちょっと可愛い顔してて親が偉いからって調子に乗ってるとあとで痛い目みるわよ?」

「そのセリフ、そっくりそのまま美波ちゃんのママに返すねぇ~」

カンナはそう言うと、美波の母親の頬に手を伸ばした。

肌荒れし放題のボコボコとクレーターになっているガサガサの肉厚な頬の肉をつまみ、ギュッとつねる。

「こんな大騒ぎしてご近所さんに迷惑かけて調子に乗ってると、あとで痛い目みるよぉ?いつかつけは回ってくるものなんだから」

ニコリと笑うと、美波の母親はカンナの手を振り払った。

「痛いわね!!アンタ、自分が何したか分かってんの!?」

「美波ちゃんのママが先にやったのに、どうしてカンナに怒るのぉ?おかしいよ~」

「ふざけんじゃないわよ!!」

「だーかーら、どうして本当のことを言ったカンナが怒られてるの?理由を説明してください」

「ウザいのよ、アンタ!」

自分のやったことを棚に上げて顔を真っ赤にして激怒する美波のママに心底呆れる。

言葉を知らないらしい。

理論的に相手をやり込めるだけの言葉が出てこないかわりに、大声で怒鳴ることしかできないなんて。

それで相手がひるむとでも思っているんだろうか。

バカな人。

ほとんどの人は大声を出されて怒鳴られれば身を引く。

大声を出されて威嚇されて怖いからではない。

そうやって大声をあげるような人間と関わり合いたくないからだ。

利口で頭がいい常識人は厄介事を避ける。

逃げているわけではない、避けているのだ。

バカに巻き込まれないために。