「カンナもちょっとお手洗いに行ってこようっと」
スッと席から立ち上がる。
この学校には美波以外にもう一人、知っている子がいる。
その子に会いたかった。
「トイレの場所分かる?一緒に行こうか?」
「ううん、大丈夫。ありがとう」
そう笑顔で告げると教室を出て、隣のクラスを覗き込む。
複数の女子グループがそれぞれの場所で固まり楽しそうに会話をしている。
いない。あそこにもいない……。
順番に目で追っていたとき、ふと廊下側の一番前に座っていた生徒に目がいった。
黒い髪を一つに束ねて、自分の世界に没頭するように本を読んでいる女子生徒。
「桃ちゃん?」
こんなに近くにいたのに全然気が付かなかった。
本に集中しているのかカンナの呼びかけに気付かない。
「もーもーちゃーん!」
もう一度名前を呼ぶと女子生徒は顔を持ち上げてカンナを見た。
スッと席から立ち上がる。
この学校には美波以外にもう一人、知っている子がいる。
その子に会いたかった。
「トイレの場所分かる?一緒に行こうか?」
「ううん、大丈夫。ありがとう」
そう笑顔で告げると教室を出て、隣のクラスを覗き込む。
複数の女子グループがそれぞれの場所で固まり楽しそうに会話をしている。
いない。あそこにもいない……。
順番に目で追っていたとき、ふと廊下側の一番前に座っていた生徒に目がいった。
黒い髪を一つに束ねて、自分の世界に没頭するように本を読んでいる女子生徒。
「桃ちゃん?」
こんなに近くにいたのに全然気が付かなかった。
本に集中しているのかカンナの呼びかけに気付かない。
「もーもーちゃーん!」
もう一度名前を呼ぶと女子生徒は顔を持ち上げてカンナを見た。



