イジメ返し3

「結局、この世は弱肉強食なの。金と地位がいくらあったってね、蹴落とされるときはあるの。金はなくたってうまく立ち回った人間の勝ち。アンタの母親がいい例じゃない。金持ちが強いわけじゃない。現にアンタは今、あたしのパシリだし」

頭が割れそうになる。信じられないほどの痛みに呼吸が荒くなる。

抑えなきゃ。気持ちを、抑えろ。

「幼稚園の時から思ってたの。金持ちで家柄もいいアンタは心の中であたしやあたしの家族を見下してた。アンタの母親だってそう。いつも涼しい顔して着飾ってさ。母親が死んだことでアンタが幼稚園を辞めてウザい奴がいなくなって清々した気持ちになったし。でね、こう思ったの」

――ざまあみろ、って。

「地獄の底まで落ちろって」

ふふふっと笑った美波に殺意が込み上げる。

脳の中で何かが爆発したかのように弾けた。

心臓が信じられないぐらいの音を立てて暴れまわり、全身の血という血が頭の中に逆流していく。

ギュッと太ももの上のスカートを握り締める。

奥歯を痛いぐらいに噛みしめると、全身が震えた。

「で、飲むの?飲まないの?まぁ、アンタに選択肢はないけどね」

美波そう言うと、カンナの肩を蹴り飛ばした。

仰向けに倒れたカンナの腹部に座ると、美波はペットボトルをカンナの口に押し込んだ。