イジメ返し3

その日を境に、忌々しいイジメは始まった。

翌日カンナが2万を渡すと美波はそれがさも当たり前のように受け取り封筒から取り出した札を数えた。

「あたし、3って言ったんだけど。1足りないから明日持ってきて」

「えぇ!?またぁ?」

「明日までね」

最初は2万、そして、さらに3万。

金額も回数も徐々に増えていく

「早く出せよ」

その日も放課後、裏庭で美波にお金をせびられていた。

隣にいる砂羽は興味なさげにスマホをいじっている。

20万に到達したところでカンナは美波に切り出した。

「美波ちゃん、さすがにカンナももう無理だよぉ。お遣いも全部使っちゃったしもう持ってこられないもん……!」

「じゃあどうすんの?」

「え~?」

「パパにバラすしかないか。アンタの娘ってこんなことやってるんだって教えてあげなくちゃねぇ。それとネットにこの画像バラまこうか?父親の名前も出して」

「そんなことしたらパパに怒られちゃうからやめてよぉ……!」

「だったら、あたしの言うとおりにしなさいよ。本当はまだ持ってこられるんでしょ?ケチケチするんじゃないわよ」

美波はそう言うと、肩にかけてあるバッグをひったくった。