イジメ返し3

「これって、イジメだよねぇ~?カンナ先生に言うよぉ~?美波ちゃんに髪の毛を引っ張られて椅子を蹴飛ばされたって」

「勝手に言えば?」

「言ってもいいの~?美波ちゃん、退学になっちゃうかもよぉ~?それでもいいのぉ?」

「退学になるのはアンタでしょ?」

美波は余裕そうな笑みを浮かべた後、カンナに一枚の写真をかざした。

「親父に肩を組まれてるアンタ。なかなかよく撮れてるでしょ?」

「それ……昨日の写真……?美波ちゃん、隠し撮りまでしてたの?」

砂羽が動画に収めていたのはしっている。

でも、それとは別に美波はきっちり画像に証拠を残していたらしい。

カンナがおじさんと肩を組んでいる写真を。

「こんな親父と仲良く映ってる写真を学校に知られたら大変だと思わない?ていうか、まずはアンタの親父に見せようか」

美波の魂胆がすすけて見える。

「パパを脅す気~?」

そして、またお金を巻き上げるつもり?

幼稚園時代のように。

「あたしは優しいからちゃんとアンタに猶予をあげる。パパを脅されたくなかったら2万もってきな。アンタ金持ちなんだからそれぐらい余裕でしょ?」

美波はカンナの頬を二度写真で叩くと立ち上がり、何事もなかったかのように自分の席に座った。