イジメ返し3

「ねぇねぇ、美波ちゃんってば~!聞いてるの~?」

どんな顔をしているんだろう。

黙っている美波の顔を覗き込む。

煽ればすぐに殴り掛かってくると思っていたのに、顔を持ち上げた美波は冷静だった。

「で、言いたいことはそれだけ?」

余裕のある表情でニヤリと笑った美波。やっぱり一筋縄ではいかないようだ。

「なんかカンナのせいで遊ぶ気失せたし。今日はもう帰ろう」

美波は2万を当たり前のように自分のポケットにしまう。

「えー、マジで~?まだ早いのに~?」

「いいじゃん、たまには。翔平帰ろう」

美波は翔平の腕に自分の腕を絡ませたまま歩き出す。

「カンナ、またねー」

砂羽もつられて二人の後を追いかけていく。

翔平は美波に引っ張られるように歩き続ける。

一度だけ振りむこうとしたものの、美波に何かを言われて諦めたようだった。

「さすがだねぇ、美波ちゃん」

カンナの思惑通りに動かないところが美波らしいよ。

ハァと息を吐きだすと、カンナはゆっくりと家のある方向へ歩き出した。