このままでは死んでしまう。

死へのカウントダウンが始まった途端、全身に恐怖心が押し寄せてくる。

「お父さん!!お母さん!!起きてよ!!お願いだから起きて!!」

隣でぐったりする両親に呼び掛けても返答はない。

二人の顔から徐々に血の気が引いていく。

「ふざけんな……ふざけんなよ……!」

ガクガクと全身が震える。

このまま生き残ったとしても生き地獄だ。

足は凍傷で腐り、切断になるのは間違いない。

ネットにはあたしの惨めな姿が今も全世界で拡散されているに違いない。

もうあたしには生きるすべがない。

「うっ……うぅ……お願いだから……起きてよ!ねぇ、お父さん!お母さん!」

こんな時になっても縋りつけるのはこのクズのような両親だけ。

ずっと分かっていたのに。両親のしていることが人道に反していると。

分かっていてもそれを正そうとはしなかった。

楽な方へ楽な方へと流され、自分の利益の為には誰かを傷付けてもいいと思っていた。

自己中で傲慢で利己的で嘘つきな嫌な女。

自分の悪いところは数えきれないほどあるのに、長所がひとつもいえない。

惨めだ。あまりにも惨めだ……。

こうなる今の今まで、心の底から反省したことはなかった。

でも、死を目の前にしてようやくわかった。

あたしはカンナや里子の両親にここまでされる理由があると。