「ぅ……」

再び目を覚ました時、あたしの体は椅子に固定され、両腕と両足には再びロープがきつく巻かれていた。

足元が凍ったように冷たく感覚がない。

そっと視線を下に向けると、あたしの両足は膝下のあたりまでバケツにはられた氷水に浸っていた。

足を動かして出したいのに、膝を固定されているせいで動かすことができない。

ピッと何かの機械音が聞こえる。

両隣にはぐったりと頭を垂れて椅子にくくりつけられてぴくりとも動かない両親。

桃や里子の両親の姿が消えている。

「あっ、起きた~?おはよ~!」

部屋にいるのはカンナだけだった。

カンナは陽気な声で言うと、あたしの体に氷水をかけた。

「ひぃ!!!」

「まだそんな大きな声がだせるなんてすごい~!さすが美波ちゃん!根性あるね~!」

「お願い……寒いの……助けて……!」

「うーん、それは無理なお願いだなぁ。このままあと数時間このままでいたらきっと凍死できるよ~!でも、うまく助かったとしても足は凍傷で壊死しちゃうから使い物にならなくなっちゃうだろうねぇ~?」

全身がガクガクと震える。

体中の体温が一気に奪われていく。

「お願い……カンナ……」

意識が遠のきそうになる。膝下の感覚はもはやほとんどない。

「さようなら、美波ちゃん。もうこれで全部終わり。そのどうしようもない両親と一緒に地獄に落ちてね。そして、今までしてきた出来事を死んでからもずっと後悔し続ければいい」

「待って……カンナ……」

「じゃ~ね~!」

カンナはヒラヒラと手を振ると、リビングから出て行った。

「そんな!!嘘でしょ?お願い……助けて……!誰か助けて!!!」

絶叫しても誰も助けになど来てくれない。