イジメ返し3

「待たせてしまったね。それじゃ始めようか」

キッチンから戻ってき二人は大きなバケツやお玉、それに複数のペットボトルを持っている。

里子の父親はそれをおもむろにあたしの隣へ置き、あたしの足を掴んで仰向けにさせた。

そして、バケツの中の水をお玉ですくいあげて寝転ぶあたしの腹部へかけた。

「ちょっ、やめてよ!!」

バケツの中には水だけでなく大量の氷が入れられていた。

冷房で冷やされた室内で冷え切ってしまった体にかけられる氷水は、寒いという感覚すら超えてしまう。

上下の歯がガチガチと音を立ててる。

「やめて?都合の悪い時だけ被害者面するのやめてもらえる?あなたが里子にしたことよ?」

里子の母親は生気のない目をこちらに向けると、にたりと気味の悪い笑みを浮かべた。

「里子、お母さんがあなたの仇をとってあげるわ」

そう言うと、父親から渡されたお玉を使い何度もあたしに氷水を浴びせた。

「痛い!!痛いからやめてよ!!」

全身に氷水をかけられて思わず叫び声をあげる。

冷房と氷水が容赦なくあたしの体温を奪っていく。

信じられないぐらい寒い。

自然と体がブルブルと震えだす。

それはまるであの日の里子のようだった。

「お願いだから、もうやめてよ……!マジで死んじゃうから……!」

本当に死ぬとは思っていない。けれど、このままでは意識を保っていられそうもない。

とにかく今は大人しくあいつらの言うことを聞き、反撃の機会をうかがうしか道はない。

沸き上がる怒りの感情をぐっとこらえてそう叫ぶと、里子の母親がお玉を床に放り投げた。