イジメ返し3

目が覚めると、あたしは保健室のベッドで横になっていた。

頭部にはいくつものたんこぶができ、喉の奥の違和感は今も続き、声が出しずらい。

意識が戻ったあたしに気付いた保険医が担任を連れてやってきた。

そして、暴力事件を起こしたあたしには3日間の停学処分が下されるだろうということと、今すぐ家に帰るようにと促された。

『カンナだってあたしにやり返してきたんだから!』

何度担任にそう訴えても、『西園寺さんが安西さんに殴られている動画を複数の生徒が証拠として提出したのよ。あなたは西園寺さんにやり返されたと言っているけど、他の生徒はあなたが一方的に西園寺さんに暴力を振るって西園寺さんはやりかえしていないと話しているの』と告げられた。

そんなはずはない。あたしは確かにカンナに喉元を殴られ、頭を床に叩きつけられたのだ。

頭のたんこぶを触ってくれと担任に話しても担任は首を横に振った。

『それと、もう一つ問題になっていることがあってね。今日あなたの荷物を保健室に運ぼうとロッカーを見たら、以前にクラスで盗難されたと報告があった化粧品がいくつか出てきたの。あなたと西沢さんが盗難のあった日体育館から抜け出したのを複数の生徒も目撃しているのよ。そのことであとで事情を聴くことになるからね』

どうしてあたしのロッカーにそんなものが……?

悔しくて唇を噛む。

もし盗難がバレても実行したのは砂羽だし、あたしはいくらだって言い逃れができた。

だから、砂羽をそそのかしてクラスメイトの財布から金を抜き取らせたのに、砂羽は欲を出して足のつく化粧品にまで手を出した。

そして、あたしのロッカーにこっそりと化粧品を忍ばせておいたに違いない。

あたしを道連れにしようとした砂羽の魂胆に嫌気が差す。

『あたし、そんなの知らないから』

化粧品に名前が書いているわけもないし、そんなものはいくらでも誤魔化せる。

あたしはフンっと鼻で笑い荷物をまとめて保健室から出た。

停学3日なんて痛くもかゆくもない。

停学処分明け、学校に行ったらカンナに何をしてやろうか。

あの子のことを少し甘く見すぎていたようだ。

でも、もう絶対に許さない。

徹底的に追い込んでやる。

それに、あの子の弱点はお見通しだ。

カンナがその気ならあたしだって容赦はしない。

取り出したスマホをタップしてある人物にメッセージを送る。

【放課後、うちに来て。来なかったらどうなるか分かってるよね?】

さぁ、カンナ。アンタ……どうする……?

あたしはニヤリと笑い、家路を急いだ。