イジメ返し3

「……?」

3本目のペットボトルを里子の家の庭に放り投げた時、ふいに誰かの視線を感じた。

顔を持ち上げると、2階のカーテンの隙間から誰かがこちらを見ている。

「何見てんだよ」

舌打ちしてそう呟くと、カーテンがシャッと攻撃的に閉められた。

「ムカつく。さっさと引っ越せよ」

あたしは捨て台詞を吐くと、部屋の窓を勢いよく閉めた。

そしてベッドに腰かけると、スマホとポケットの中の名刺を取り出し電話をかける。

3回目のコールで相手が電話にでた。

「もしもし?情報提供したいんですけど。女子高生がアパートで乱暴された事件の被害者のことあたしよく知ってて。で、謝礼はいくら?」

砂羽とは中学の時からそれなりに仲良くしているつもりだった。

写真だってあるし、金になるなら喜んで砂羽の情報を差し出すつもりだ。

「えっ?なに、それだけ?ハァ~?じゃあもういいから」

一方的に電話を切ると、再びさっきの記者から折り返しの電話がかかってきた。

数回無視した後に電話に出る。

「もしもし?さっきの金額じゃ情報提供なんて無理。えっ、もう少し出す?ふーん。いくら?」

一度突き放すのは常套手段だ。

友達だって彼氏だってなんだって売ってやる。

それであたしが得できるならそれでいい。

砂羽から盗んだバッグもそこそこ高値で売れたし、記者からもお金がもらえたら何をしようか。

バイトなんてしてちょこちょこ金を稼がなくてもうまく立ち回ればドカンと金が入ってくる。

「じゃあ、その金額で。もちろん前払いで」

記者との金額の折り合いがつくと、あたしは心の中でにこりと笑った。