「あらっ、美波ちゃん。もしかしてここでクッキー食べてくれるの?あとでゆっくり食べてくれてもいいのよ?」
ハサミをもって現れたあたしに里子の母親は大きな勘違いをした。
あたしはマフラーと袋に入ったクッキーを受け取ると、真っすぐ里子の母親を見つめた。
「こんなのいらねぇーんだよ。持ってくるんなら、金持って来いよ」
「えっ?」
里子の母親の頬がピクリと動いた。
あたしの言葉に動揺して身動き取れずにいる二人をフンっと鼻で笑いながらあたしはクッキーの入った袋を床に思いっきり叩き付けたあと、足で踏みつぶした。
クッキーが粉々になっていくのを足の裏に感じる。
どう?一生懸命作ったクッキーを壊された気分は。
二人は目を見開いたまま立ち尽くすことしかできない。
「こんなの作ってきてもマジで迷惑だから。それに、手編みのマフラーとかもう流行んないし。キモいんだよ。お前ら」
あたしはマフラーをハサミで切り刻んだ。
なかなか切れずに引っ張ると、毛糸がブチブチッと音を立ててちぎれる。
「あー、めんどくさっ。もう二度とこんなの持ってこないでよね」
あたしが里子の母親に切り刻んだマフラーを投げつけると、里子はマフラーとクッキーを慌てて拾い上げて大切そうに胸に抱きしめた。
そして、非難する様な目をあたしに向けた。
「酷いよ……。人の優しさや気持ちを踏みにじるようなことするなんて酷すぎる」
「ハァ?バカじゃねぇーの?勝手なことしたのアンタたちでしょ?あたしが責められるとか意味わかんない」
「お母さん、もう行こう!」
里子は母親の手を引っ張り自分の家の方へ歩いていく。
初めてだった。里子があたしに対して何かを言い返してきたのは。
パシリにしたって何をしたってあの子はあたしの言うことを聞いていたのに。
それなのに、母親を守るためだけにあたしに刃向かった。
「ふざけんなよ……。アンタのこと絶対に許さない」
憎しみが沸き上がってくる。
あたしは翌日から徹底的に里子をイジめた。
翔平と里子がうちの前で二人っきりでしゃべっていたことに怒ったあたしが里子をイジメたと翔平も砂羽も誤解していたいけど、本当のところは違う。
母親と娘の愛を目の当たりにしたその瞬間に、すべてをぶち壊してやろうと思ったのだ。
それでもしばらくの間は里子は何をされても必死になって堪えていた。
それが逆にあたしを苛立たせた。
降伏しないなら、降伏させるまで。そうやって徹底的に里子を痛め続けると、ついに里子があたしに降伏した。
自殺したのだ。あの家で。あの母親が第一発見者だった。
ざまあみろ。あたしに刃向かった罰だ。
警察が来て物々しい雰囲気に包まれる里子の家をあたしはこの部屋の窓から悠然と眺めてその日は気分よく眠った。
最高の気分だった。里子に一心に愛情を注いでいたあの両親がボロボロになるのは想像がついた。
それを想像すると笑いが止まらなかった。
ハサミをもって現れたあたしに里子の母親は大きな勘違いをした。
あたしはマフラーと袋に入ったクッキーを受け取ると、真っすぐ里子の母親を見つめた。
「こんなのいらねぇーんだよ。持ってくるんなら、金持って来いよ」
「えっ?」
里子の母親の頬がピクリと動いた。
あたしの言葉に動揺して身動き取れずにいる二人をフンっと鼻で笑いながらあたしはクッキーの入った袋を床に思いっきり叩き付けたあと、足で踏みつぶした。
クッキーが粉々になっていくのを足の裏に感じる。
どう?一生懸命作ったクッキーを壊された気分は。
二人は目を見開いたまま立ち尽くすことしかできない。
「こんなの作ってきてもマジで迷惑だから。それに、手編みのマフラーとかもう流行んないし。キモいんだよ。お前ら」
あたしはマフラーをハサミで切り刻んだ。
なかなか切れずに引っ張ると、毛糸がブチブチッと音を立ててちぎれる。
「あー、めんどくさっ。もう二度とこんなの持ってこないでよね」
あたしが里子の母親に切り刻んだマフラーを投げつけると、里子はマフラーとクッキーを慌てて拾い上げて大切そうに胸に抱きしめた。
そして、非難する様な目をあたしに向けた。
「酷いよ……。人の優しさや気持ちを踏みにじるようなことするなんて酷すぎる」
「ハァ?バカじゃねぇーの?勝手なことしたのアンタたちでしょ?あたしが責められるとか意味わかんない」
「お母さん、もう行こう!」
里子は母親の手を引っ張り自分の家の方へ歩いていく。
初めてだった。里子があたしに対して何かを言い返してきたのは。
パシリにしたって何をしたってあの子はあたしの言うことを聞いていたのに。
それなのに、母親を守るためだけにあたしに刃向かった。
「ふざけんなよ……。アンタのこと絶対に許さない」
憎しみが沸き上がってくる。
あたしは翌日から徹底的に里子をイジめた。
翔平と里子がうちの前で二人っきりでしゃべっていたことに怒ったあたしが里子をイジメたと翔平も砂羽も誤解していたいけど、本当のところは違う。
母親と娘の愛を目の当たりにしたその瞬間に、すべてをぶち壊してやろうと思ったのだ。
それでもしばらくの間は里子は何をされても必死になって堪えていた。
それが逆にあたしを苛立たせた。
降伏しないなら、降伏させるまで。そうやって徹底的に里子を痛め続けると、ついに里子があたしに降伏した。
自殺したのだ。あの家で。あの母親が第一発見者だった。
ざまあみろ。あたしに刃向かった罰だ。
警察が来て物々しい雰囲気に包まれる里子の家をあたしはこの部屋の窓から悠然と眺めてその日は気分よく眠った。
最高の気分だった。里子に一心に愛情を注いでいたあの両親がボロボロになるのは想像がついた。
それを想像すると笑いが止まらなかった。



