「まっ、前からそんな気はしてたけど。アンタってホントバカだよね。SNSの世界でバカみたいな夢描いてさ。自己顕示欲と承認欲求を満たしたくてしょうがなかったんでしょ?最底辺の暮らしから抜け出してのし上がりたかったんだろうけど、大失敗なんてね。しかも、アンタのアカウント炎上してるし。警察に逮捕される日も近いんじゃない?あははは!マジで笑えるんだけど!」

「美波……」

「マジでざまーみろって感じ!それとね、あたしにとってアンタは何でも言うことを聞く奴隷みたいなもの。アンタはあたしと友達だって思ってたかもしれないけど、あたしは友達だなんて思ったこと一度もないから。あっ、そうそう。知ってた?アンタのSNS見て中学の時の同級生の子、みんな笑ってたよ。『必死すぎ』って。恥ずかしい女」

「やめてよ……」

美波の声が脳内でハウリングする。

「さてと、アンタとしゃべってる時間すら惜しいから切るわ。あたし、ちょっとコンビニに行く用事があるから」

「美波……お願い……。そのついでにあたしの家にバッグを持ってきて。お願いだから返して。あれを売ってお金にしないと……。家の玄関を誰かが叩いてるの。廊下側の窓を割られたら……」

数十秒おきにチャイムとドアを蹴ったり叩いたりする音が聞こえてくる。

「早く出てこいよ!」

男の叫び声が更に大きくなる。