イジメ返し3

「店員さぁ~ん!砂羽ちゃんが前にここのお店で万引きしちゃって、それを今謝りたいそうでーす!」

「あ、アンタ!!」

ひゅっと喉の奥が狭くなった。口を開けて目を見開き、店員の動向に注視する。

店員はやっぱりというように互いの顔を見合せると、こちらに向かって歩みを進める。

このままじゃヤバい!逃げなくちゃ!!カバンの中を見られたら終わりだ。

「くっ、離して!!」

「いーやーだーよーーーー!!みなさーーーん!この子は万引きをしましたーーー!!」

カンナの叫び声に近くにいた人たちが集まりだす。

学生、スーツを着たサラリーマン、小綺麗なOL、買い物中の主婦、腰を曲げた老夫婦。

その中の数人が慌ててスマホを取り出してあたしに向ける。

「ヤバくねっ、なんか修羅場っぽい!!」

「おい、動画動画!」

マズい。この中の一人が動画をSNSにあげればそれは瞬く間に広がるだろう。

あたしが必死になって増やしたフォロワーにあたしだと気付かれてしまえば、フォロワー離れにつながる。

焦った。体中の汗という汗が吹き出すような感覚。

「離して!!離してよ―――!!」

叫びながらカンナの手から逃れようとするものの、カンナは笑顔を崩すことなく余裕そうにこちらを見つめている。