イジメ返し3

「24枚……。全部で24000円だった」

数え終えると、美波があたしの手の中の札束をスッと引き抜いた。

「あたしの取り分もらうから」

さも当たり前のようににんまりした表情で12枚の千円札をポケットに押し込む美波にカチンっと来る。

「てかさ、あたしと美波の取り分が同じっておかしくない?危険を冒したあたしのほうが多くないと不公平だと思うんだけど」

「ハァ?あたしはアンタのアリバイ作りをしてあげてたんじゃない。体育館にアンタだけがいなかったら真っ先に疑われるんだから。あたしの協力がなかったらアンタは真っ先に疑われるハメになるんだからね」

美波の言葉に何も言い返せない。

確かに体育の後、『お財布のお金が盗まれた!』と一人が叫んだのをキッカケに『俺も!』『あたしのもない!』とクラス中が大騒ぎになった。

もちろん、犯人捜しはすぐに始まり、体育の途中に体育館からいなくなったあたしと美波に疑惑の目が向けられることになった。

でも、美波は動じなかった。それどころかこう反論した。

『アンタたち、さっきからあたしと砂羽を疑ってるんでしょ!?でも、あたし達じゃないから!証拠はあるわけ?あるなら今すぐ出せよ!』

とクラスメイト達を威嚇するように吐き捨てた。

その言葉に教室中がシーンっと静まり返り、騒ぎは落ち着いた。

確かに証拠はないし、貴重品を教室に置いたままにした自分の責任にも気付いたんだろう。

みんな泣き寝入りするしかない。

そう思わせてくれたのはほかでもない美波だ。

半分取られるのは悔しいけど、美波がいなかったら成功しなかったかもしれない。

あたしは残りの12枚の札を自分のポケットに押し込んだ。