「あーーーーーー!!」
昼休み。昼食を済ませた後、屋上へ行き、声の限り叫ぶ。
とにかくイライラが募っていた。
朝までは万引きしたバッグのおかげでフォロワーもいいね!も増えて喜んでいたのに、カンナのせいで全てが台無しだ。
「ちょっと、アンタうるさいんだけど」
そばにいた美波が眉間にしわを寄せてあたしを睨み付ける。
「だって……。ねぇ、聞いてよ、美波~!」
あたしは、美波にSNSのフォロワーをカンナに抜かされたことや今朝のやり取りを話した。
「アンタってホントSNS中毒だよね。毎日毎日スマホばっかり見てて楽しいわけ?」
時々適当に相槌を打ちながら話に耳を傾けていた美波は呆れたようにフンっと鼻で笑った。
あたしの話を聞いて美波が共感してくれることはほとんどない。
中学の時からずっとそう。
一緒にいると楽しいことよりムカつくことの方が多い。
でも、一緒にいるのは美波といると得することが多いから。
常にスクールカーストの頂点にいる美波に逆らえる人間などいるはずもない。
美波は悪魔のようだ。
冷酷で残酷。人の心を持ち合わせていないとすら感じる。
もし美波から離れたら、あたしだってきっとただではすまないだろう。
めんどくさいことには絶対に巻き込まれたくない。
だから、仕方なく一緒にいる。ただ、それだけ。
「中毒ではないけど?可愛い写真アップしてみてくれる人がすごいって思ってくれたら嬉しくない?」
SNSには夢がある。今のあたしの世界をガラリと変えてしまうほどの夢。
家の玄関を開けたらすぐ視界に飛び込んでくるあまりにも無常な現実から自分の力で逃げることのできる可能性がある。
『蛙の子は蛙』とバカにしたように見下して親戚に言われたことがある。
親の性質や能力は子供に似るものということわざ。
あたしはそのとき、両親のようには絶対にならないと心に決めた。
あたしはあたしの力で幸せを勝ち取って見せる。
「まぁ、あたしには理解できないけどアンタがいいならいいんじゃない?」
ポケットから取り出した電子タバコを口にくわえる美波。
「ハァ~。カンナみたいに親がお金持ちでお金があればな~。そうすればバッグも靴もコスメもたくさん買えるのに」
自然と零れ落ちたその言葉に美波が反応する。
「てかさ、砂羽が真っ向勝負で金持ちのカンナに勝とうとするから負けるんじゃん。正攻法で負けるなら奥の手使うしかないでしょ」
「奥の手?」
「自分がのし上がりたいなら、多少の犠牲は払わないとね。でも、大丈夫。バレなければいいんだから」
美波はそう言うと、意地悪な笑みを浮かべてクイクイっと手招きした。
「なになに?」
美波がそっとあたしの耳元に唇を寄せる。
それはまるで、悪魔のささやきのようだった。
昼休み。昼食を済ませた後、屋上へ行き、声の限り叫ぶ。
とにかくイライラが募っていた。
朝までは万引きしたバッグのおかげでフォロワーもいいね!も増えて喜んでいたのに、カンナのせいで全てが台無しだ。
「ちょっと、アンタうるさいんだけど」
そばにいた美波が眉間にしわを寄せてあたしを睨み付ける。
「だって……。ねぇ、聞いてよ、美波~!」
あたしは、美波にSNSのフォロワーをカンナに抜かされたことや今朝のやり取りを話した。
「アンタってホントSNS中毒だよね。毎日毎日スマホばっかり見てて楽しいわけ?」
時々適当に相槌を打ちながら話に耳を傾けていた美波は呆れたようにフンっと鼻で笑った。
あたしの話を聞いて美波が共感してくれることはほとんどない。
中学の時からずっとそう。
一緒にいると楽しいことよりムカつくことの方が多い。
でも、一緒にいるのは美波といると得することが多いから。
常にスクールカーストの頂点にいる美波に逆らえる人間などいるはずもない。
美波は悪魔のようだ。
冷酷で残酷。人の心を持ち合わせていないとすら感じる。
もし美波から離れたら、あたしだってきっとただではすまないだろう。
めんどくさいことには絶対に巻き込まれたくない。
だから、仕方なく一緒にいる。ただ、それだけ。
「中毒ではないけど?可愛い写真アップしてみてくれる人がすごいって思ってくれたら嬉しくない?」
SNSには夢がある。今のあたしの世界をガラリと変えてしまうほどの夢。
家の玄関を開けたらすぐ視界に飛び込んでくるあまりにも無常な現実から自分の力で逃げることのできる可能性がある。
『蛙の子は蛙』とバカにしたように見下して親戚に言われたことがある。
親の性質や能力は子供に似るものということわざ。
あたしはそのとき、両親のようには絶対にならないと心に決めた。
あたしはあたしの力で幸せを勝ち取って見せる。
「まぁ、あたしには理解できないけどアンタがいいならいいんじゃない?」
ポケットから取り出した電子タバコを口にくわえる美波。
「ハァ~。カンナみたいに親がお金持ちでお金があればな~。そうすればバッグも靴もコスメもたくさん買えるのに」
自然と零れ落ちたその言葉に美波が反応する。
「てかさ、砂羽が真っ向勝負で金持ちのカンナに勝とうとするから負けるんじゃん。正攻法で負けるなら奥の手使うしかないでしょ」
「奥の手?」
「自分がのし上がりたいなら、多少の犠牲は払わないとね。でも、大丈夫。バレなければいいんだから」
美波はそう言うと、意地悪な笑みを浮かべてクイクイっと手招きした。
「なになに?」
美波がそっとあたしの耳元に唇を寄せる。
それはまるで、悪魔のささやきのようだった。



