イジメ返し3

人はみな平等ではない。

大体は生まれた瞬間に決まる。

良い家か悪い家か、良い親か悪い親か。

子供には抗う術などほとんどない。

うちの両親はあたしが知りうる限り働いたことは一度もない。

体調が悪いと言いながらパチンコに通う父と、精神的に不安定だと言い訳をして家のことなど一切せず毎日ソファでうたた寝する母。

あたしが生まれてからずっと生活保護で生活している。

子供ながらに理解していた。両親が不正受給を働いていると。

普段はぴんぴんしているのに、ケースワーカーが家庭訪問をすると両親は演技がかった芝居をしていたから。

そんな両親のもとに生まれてきたしまったあたしにできる精いっぱいの抵抗は、友達や周りの人に家の中の事情を悟られないように嘘をつき誤魔化すことだけだった。

嘘をつくと、その嘘を隠すために更に嘘を重ねていく。

バレそうになって冷や汗をかいたのは一度や二度じゃない。

もしかしたらバレていたかもしれない。

小中学校の友達とは卒業後なんとなく疎遠になってしまった。

一生このまま最低最悪な両親と同じ道をたどるかもしれないとあきらめにも似た気持ちが沸き上がってきたとき、あたしはSNSを知った。

投稿すると、見知らぬ誰かからコメントが届く。いいね!がつくと飛び上がってしまいそうなほどうれしかった。

この人たちはリアルのあたしを知らない。

親が働かないのも、家がゴミ屋敷なのも、貧乏なのも。

あたしが情報を発信しない限り、この家のことは誰の目にも触れない。

SNSの世界でならば、あたしは新しい自分になれる。

もっともっと有名になりたい。

人から羨ましがられる生活をしたい。

コメントが欲しい。いいね!が欲しい。もっともっともっと。

あたしを見てほしい。

あたしという存在を認めてほしい。

その思いは日々強くなる。