体中に沸き上がってくる感情は嫉妬以外の何物でもない。

鳥肌が立ちそうなほどの高ぶった感情をカンナに悟られないように必死に平静を装う。

「ていうか、カンナはSNSやんないんじゃなかった?」

「うーん、やる気はなかったんだけど砂羽ちゃんもやってるし初めてみようかなぁ~って思って。砂羽ちゃんはずっと前からやってるんだよね?砂羽ちゃんのフォロワーさんって何人?」

「……え?」

答えに詰まる。きっと今カンナを取り囲む奴らよりあたしの方が圧倒的にフォロワー数は多いはずだ。

そこら辺の高校生が適当に始めて友達同士で相互フォローしたアカウントのフォロワーはせいぜい2、300人ぐらいだろう。

でも、あたしは違う。1000人だ。

それ以上いたとしても、あたし以上はいないはず。

カンナが1万人などと口にしなければ胸を張って答えられたのに。

「あっ、ごめん!カンナより大いに決まってるもんねっ!ていうか、こないだねぇ……――」

カンナは一方的に会話を終わらせて話題を変えた。

正直ほっとしていてた。

クラスメイト達にカンナよりもフォロワーが少ないことをバレたくなかった。

そんなのプライドが許さない。

このクラスで連絡先を知っているのはカンナと美波だけ。

これから先教えなければクラスメイト達にフォロワー数がバレることもないだろう。