イジメ返し3

「すみません……お騒がせしてしまって……」

「血が出てるじゃないか!大丈夫かい?」

「ありがとうございます……」

体を支えられて何とか立ち上がった母親を俺は冷めた目で見つめた。

「君、渡辺さんのところの息子さんだろう?お母さんのことを二階まで連れて行ってあげなさい」

「は?なんで俺がそんなことしなくちゃなんねぇんだよ!」

ペッとジジイの足元に唾を吐くと、「翔平、やめなさい!」と母親が声を荒げた。

「親に反抗して一体何になるっていうんだい?親がいつまでも元気でいると思わないほうがいい。いつかきっと後悔することになるよ」

「てめぇ俺に向かって説教たれてんじゃねぇよ!」

「どうして……どうしてなの……」

そう言ってうなだれながら涙を流し始めた母の姿に嫌気が差し、

「泣くんじゃねぇよ!お前みたいなクソ親なんていらねぇんだよ!!」

俺は吐き捨てるように言うと、駐輪場の方へ向かって歩き始めた。

並べられている自転車を片っ端から蹴り倒して砂利を蹴飛ばして歩く。

イライラもモヤモヤも晴れない。

俺はもう一度学校へ戻ることを決めた。

「アイツ、許さねぇ……」

美波の顔が脳裏に浮かぶ。

どうやって痛めつけてやろうか。もう失うものなんて何もない。

俺を騙していたことを一生後悔させてやる。

俺はグッと拳を固く握りしめ、元来た道を引き返した。